英国の旅 四日目 ストーク=オン=トレントとクライストチャーチへ

  • 2019.07.15 Monday
  • 20:45

もうロンドンへ帰る日となった。朝、湖水地方を車で出発。お天気もわりとよく、日曜日であることも手伝って高速道路がとてもスムーズ。クライストチャーチ以外に寄りたいところは?という後藤さんの提案に、道すがら最短距離で寄れるところを、と希望。焼き物の街ストーク=オン=トレントへと向かう。ウエッジウッドやロイヤルドルトンミントンなど有名なメーカーのアウトレットショップがあるとのこと。最初に案内していただいたのがバーレーという老舗のショップ。実は陶器のことはあまりよく知らず、バーレーという名前を聞くのは初めて。ブルーと白の自分的にはすごく好みの食器がたくさん。しかしこういうのはセットで買わないと意味がないし、なんせ荷物が多くなるのは避けたいととりあえず見学だけにとどめることに。

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しかし、アウトレットではない2階のショップも一応見学しようと階段を上ったところに、牛の形のミルクピッチャーがずらっと並んでいて、その形のかわいさにズギューンと胸を打ち抜かれる。バーレーといえば、これ!という代表的製品だそう。ものすごく迷って結局買わなかったのだが、後で大後悔した。やっぱりズギューンときたものは買っておくべきですね。アウトレットではなかったけれど日本のオンラインショップなどで買うよりもうんと安かったし。

 

ショップを出ると、後藤さんが裏の運河がすごくきれいなのでと案内してくださった。いい雰囲気でのんびり釣り糸を垂れるおじいちゃまもいたり。のんびりしていたのだかが、生憎もくもくと黒雲が湧いてきて土砂降りの雨が降りはじめた。

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ウエッジウッドのショップとかも行ってみたかったけれど、クライストチャーチの入場時間に間に合いそうにないということで(たぶん見ても買わないし(;^_^A)ここから一気にスピードをあげてオックスフォードへ向かうことに。

 

後藤さんが間に合うように運転がんばってくださる。この日の道中、好きな日本の歌の話になりなんと後藤さんは私たちよりも古い歌をよくご存じなことが判明しびっくり。ユーチューブで演歌美女5人組が歌う「赤い絆」(だったと思う)を聴かせてくれた。イギリスで演歌を聴くとは!お返しにと鳥取の貝殻節を披露する人もあり、にぎやかな道中である。三日目ともなると運転手さんというよりすっかり旅の仲間である。

 

そうこうするうちオックスフォードのクライストチャーチに到着。てっきりオックスフォード大学というのがあるのかと思ったら、オックスフォードという街に44のカレッジが存在しているのであって、オックスフォード大学というのはないとのこと。

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そのカレッジの一つであるクライストチャーチの入り口に並んでチケットを購入。事前の知識まったくなかったのだがここはあのハリーポッターの学校のモデルとして有名だそうで、それらしき扮装をした若い人がいっぱいいた。とにかく建物は全部古いものがそのまま使われていることに、ここでも驚く。

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この食堂も、現在も食堂として使われている。すごいなあ。ヘンリー八世やエリザベス一世の肖像画や居並ぶこの学校出身の有名人の肖像画、こんな中でランチ食べたら賢くなりそうだ。不思議の国のアリスを書いた、ルイス・キャロルはこの大学の数学の先生。ステンドグラスの中のアリスがかわいい。

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大聖堂も実に荘厳、壮麗。パイプオルガンもあったし、ファッツイオーリのグランドピアノも置いてあった!うーん、よく響いて美しいだろうなあ。

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おなじみの帽子をかぶった学生さんに出会ったのでちょっと後ろ姿を撮らせていただいた。卒業式というのはないそうで、一人ひとり、卒業する日が違うのだとか。

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見学を終えて、アリスショップへ。

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ほしいものがいっぱいあったけれどちょっと我慢。ルイス・キャロルの自筆のアリスの原稿と彼の手によるイラストを本にしたものを後藤さんが紹介してくれた。彼は自分の絵がお気に召さず、没になったそうだけれど、なかなか味わがあった。ショップの店員さんは日本の方、ワーホリで来られているそう。ここに、とげとげがついたマッサージマグカップがあってびっくり。ちょっと触ってみたら猛烈に痛い。ツボ押しスリッパなんかの比ではない。後藤さんはこれが大好きだそうでぐりんぐりんとマグカップを手のひらで包んで回している(驚)!ずっと売れないといいね(笑。

 

その後、ボドリアン図書館のあたりを駆け足で散策。ロンドンへと向かいます。

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ロンドンの宿でヒーターのスイッチの入れ方がわからず寒かった話をしたら、後藤さん、到着後、荷物を運んでくださりヒーターのスイッチの確認までしてくれたのでした。なんとありがたい。

湖水地方を中心に途中名所を回ったこの三日間。すばらしく充実した楽しい三日間は後藤さんという名ドライバーさんのおかげだった。同行4人、みな別れがたい思いは同じで、この夏初めてのお子さんが生まれてパパになる予定という後藤さんをホテルの入り口でみんなでお見送り。幸多かれと祈りつつ。

英国の旅 三日目 湖水地方

  • 2019.07.07 Sunday
  • 16:19

さて、湖水地方のホテルはボウネスのBurn How Garden House Hotel。ロンドンよりうんと広くて設備もよく、庭のバラを愛で、鳥のさえずりを楽しむ三日目の朝。ああ、幸せ。

 宿 

朝食時には、卵料理を調理してもってきてくれる。この日はハムとスクランブルエッグをお願いした。このスクランブルエッグの美味しいことといったら!火の通り具合、なめらかな口どけ。見れば、ブレックファーストアワード受賞とあった。さすがだ。そして北に来たからかフルーツ、とくにベリー類が豊富に並んでて珍しいものがいろいろあった。おなかが治っていてほんとによかった。

 

さて、出発。この日後藤ドライバーが最初に案内してくれたのが、Queen Adelaide’s Hill

Footpath to a viewpoint。なだらなかな草の丘を登るとウインダミア湖が見渡せる。曇り空ではあったが、心地よい。たくさんの羊とともに風に吹かれる。

 羊湖水

そして、ウインダミア湖を車のままフェリー(というより渡し船?)で対岸に渡り、ビアトリクス・ポターの愛したニア・ソーリーにあるヒル・トップ農場へと向かう。雨に降られたが、家の中の見学なので差し支えなかった。たくさんの観光客とともに、彼女の愛した世界をたどる。ピーターラビットのシリーズの絵のモデルのなった場所がたくさんあり、当時のままに保存されている。彼女の弟バートラムの絵などもあり、一家そろって画才があったことがわかる。

 

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ニア・ソーリーの美しい眺め。

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彼女が、弁護士のウィリアム・ヒーリスと結婚し二人で済んだカースル・コテージ。

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それにしても今日も雨模様。絶景ビューポイントへ案内しますと後藤さんが言われていたので、せめてその時だけでも雨があがってくれたらいいなと願う、そう「希望はある」のだ。

 

ここから車は北上し、ホークスヘッドの街へ。ナショナルトラストの店をのぞいたり(ここで見つけたひざ掛けがものすごくあったかそうで、あとから購入すればよかったと悔いた)。ポターの直筆の絵やスケッチを見学できる施設もあった。原画のすてきなこと。そしてスケッチも素晴らしい。とても小さい画面に湖水地方の雄大な空気が景色とともに閉じ込められてる、ほんとにすごい。彼女の絵の力を感じる。

 

それから、アンブルサイドを通りグラスミアへ。古い教会の裏手にあるワーズワースのお墓へ。大変美しい場所だった。

エヴァレット・ミレイのあのオフィーリアの絵が脳裏に浮かぶ。

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そして、大勢の人が行列しているジンジャーブレッドのお店へ。昔ながらのrecipeで作られているジンジャーブレッドだそう。みんなで分けあっていただく。素朴でほんとにおいしかった。しかし、ぽろぽろこぼれるので、車の中はとんでもないことに(笑。

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そこから北上する途中、後藤さんが大好きだというグレンジブリッジへ案内してくれた。静かな場所にある美しい橋。すこし川べりに降りて楽しむ。ほんとに時間が止まっているみたいだ。

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ここから窓外の景色すべて映像に納めたいくらいに素晴らしい景色が続く。どんどん晴れてきれいな青空が広がる。氷河が作った湖水地方の雄大な景色。すこし黄緑がかった山々が次々に現れていく。ふだん山といえば木に覆われたものしか見ていないが、ここの山々は草に覆われていて木はない。この景観、以前スコットランドを北上し、スカイ島へ行く途中のグレンコーの景色と似ている。

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そして、スレート工場へ。

 

 

湖水地方独特のスレートを積み重ねた石垣や建物の壁。とてもいい味わいだが、ここで産出されるスレート石を加工して使っているそう。石の目をみて、上手に割っていくそうだ。スレート工場の奥に、スレートで作った作品やや工芸作家さんの作品を置いてあるショップがあって、とてもいい雰囲気だった。

 

スレートを手に説明してくださる工場の方。

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この工場からの眺めがまた絶景だった。

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そしてバターミアで折り返す。ここはアイスクリームが有名だそうだが、残念、着いた時には店は終了していた。

 

帰り道、後藤さんが少し歩きますか?と言われ、大きな石があるところへ連れていってくれた。立て札にBowder stoneと書いてある。

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気持ちよく山道を進むとロッククライミングを楽しむ人たち、そして奥に巨大な岩が現れた。パワースポットらしい。残念ながら石の上に登る階段が修復中だったが、気持ちのよい山歩きも経験できた。

 

土曜日だったからっか、あの山道を自転車で(!)楽しむ人、トレッキングする人、ロッククライミングを楽しむ人、みな大自然を満喫している様子がとても心に残った。

それにしても、ほんとにこのタイミングでよく晴れてくれた。結局午後から終日快晴だったのだ!まさに「希望はあった」。

同行4人のうち3人は、自称晴れ女である。もうおひとりも晴れ女免許皆伝!

何ものかに手をあわせて感謝したくなるほど、大自然の美しさを満喫できた、奇跡の一日だった

英国の旅 二日目 ストラトフォードアポンエイボンから湖水地方へ

  • 2019.06.30 Sunday
  • 22:41

JUGEMテーマ:旅行

二日目からはfujisanTravelの後藤さんが運転してくださる車で移動。

重たいスーツケースも車に積んでいただいて、一路湖水地方を目指す。

美しい風景を見ながら途中シェイクスピアの生家のある街、ストラトフォードアポンエイボンへ。ここも雨だったが、シェイクスピアの生まれた家を訪ねることができるなんて、と感激しきり。

シェイクスピア生家シェイクスピアの生家

(正面から)入り口に家紋(ペンのマーク)が
 

家の中にはフォルスタッフそのものみたいな頭の大きな太ったおじさんが当時の装束を着て座っていて、一瞬驚いた。低くて静かな語り口は物語そのもののようで、吸い込まれるような雰囲気を持っている。ジャパンのどこから来たのか?と問われ、さすがに鳥取はご存じなかろうと思いきや「おお、島根の隣だね」と。えええ?鳥取を知ってるの?しかも島根が出てくるとは〜。京都と松江の中間くらいにあるだろう、というから驚いた。なぜご存じだったかというと、日本中をヒッチハイクして回った人の本を何度も読んだからだという。九州、北海道、四国、本州、なんて言葉が出てくるのには驚いた。

裏からみたシェイクスピアの生家
 

生家にあるショップで、後藤さんがすすめてくださった猫のシェイクスピアの本、何気なく買ったのだけれど、帰ってからじっくり眺めるとこれが実に味わいがあってかわいくて、すてきなのだ。シェイクスピア印(?)のインクも購入してきた。これで書いたら名作が書けたりするだろうか♪

表紙すてきでしょ。
 

ロメオとジュリエットの悲しい場面にも

なんとなく安らぎが
 


 

 同じ街の古いパブにも案内してくださった。とっても雰囲気がいい。私は飲めないけれど同行の方のビールを一口飲ませてもらってその泡のおいしさに驚いた。あまり冷えてない黒っぽいビール。これはおいしい。こういうビールなら、練習すれば少しは飲めるようになるかもしれないなあ。いや、やっぱり無理かなあ。

 

 

運転してくれた後藤さんは英国生まれの日本人だそうで日本語も完璧、ほんとうに親切な行き届いた方で、まだコインの種別がわからない私たちがサンドイッチを購入するときにも、丁寧に手伝ってくださった。その時に「あ、このコインはとっておいたほうがいいですよ」と教えてくれたのが、確かビアトリクス・ポター生誕150年記念(だったと思う)で発行されたベンジャミン・バニーの50ペンスコイン!これはとてもいい旅の記念になりました。教えていただかなければ、絶対わからなかったなあ、ほんとに感謝。

50pence
 

その後、猛烈な雨になったり事故渋滞もあったりで、湖水地方に入ったのは夜8時ころだったろうか。「この国は一日の中に四季があると言われていて、ころころお天気が変わります。ということは、希望もあるということです」という後藤さんの言葉どおり、あれだけ雨が降っていたのに、湖水地方に入ったところで青空が広がり、日が差し始めた。日の入りが9時半くらいだから、まだ夕方の雰囲気である。

 

なだらかに続く緑の起伏。どこまでも果てなく見える雄大な緑の大地、そこに優しい斜めの陽ざしがさしている光景が目に飛び込んできた時には胸が熱くなった。泣きそうなくらいに美しい。百聞は一見に如かずとはこのことだと思う。車窓からだったので写真を撮るのも忘れて眺め続けていた。写真を撮っても、あの雄大さと空気感はよほどのカメラでないと伝わらないと思う。

英国の旅一日目 ロンドンー雨か涙か

  • 2019.06.22 Saturday
  • 23:38

ようやく到着したヒースロー空港は雨だった。ロンドンへと向かう途次、雨に煙る緑の中に立ち並ぶレンガの家々。そしてその屋根には煙突、煙突、煙突!メリーポピンズの世界だ。煙の出ている煙突も、なんと現役なのね。長旅でへとへとになった頭もしゃんとしてきた。そういえば、学生の頃初めて書いた詩は「銀の雨」というタイトルで、見たことも行ったこともないロンドンの街を想像しながら書いた詩だったなあとぼんやり思い出す。静かに銀の雨よいつまでも降っていてね、という、こっぱずかしいことこの上ない詩なのだが、あれから40年(笑、その憧れの街に今いることを不思議に思いつつ、その夜は爆睡した。

 

 

翌朝ホテルを出るときは曇り空、地下鉄アールズコート駅でオイスターカードを購入し、一路ロンドン塔へ向かう。混雑する地下鉄の駅で行先をおろおろ確認する私たちに親切な女性が「どこへ行くのか」と話しかけてくれ「こっちの線だよ」と教えてくれた。いい旅をと笑顔でにっこり。とても心がほっとしてありがたかった。混雑する車内にいささか緊張しつつも無事ロンドン塔に到着。入場料はずいぶん高くて驚いた(寄付つきで30ポンドちょっとだった)。歴史的建造物の保全のために必要なのだろうな。


ロンドン塔

小学生の頃、世界の歴史的建造物シリーズでロンドン塔とかタージマハルとか様々な写真とともに読みふけったのを思い出す。これがあのロンドン塔かあ〜。ロンドン塔といえば、何と言ってもヘンリー八世が思い浮かぶ。二人目の妻、アン・ブーリンが処刑された場所だなあ。しかし後からゆっくり案内を読むとなんとアン・ブーリンが処刑されたグリーン・タワーの見学を飛ばしてたことが判明(涙。見たかったなあ。あまりゆっくりは見学できなかったが、古びた室内の雰囲気を味わいつつ歩くと、ふいにタワーブリッジが見渡せる場所に出てびっくりした。

タワーブリッジ

テムズ川とタワーブリッジ。やはり絵になる。それにしてももうちょっと時間が欲しかったなあ。そうそう、ここのカラスには驚いた。実に立派な鷹みたいなカラス。「ロンドン塔からカラスがいなくなるとイギリスが滅びる」のだそうで、大切に飼育されているのだとか。日本でみるカラスとは全く違って、威厳のある姿はまるでここの主のようだった。

 

修学旅行生や団体の観光客でごった返すロンドン塔をあとに、次の目的地のナショナルギャラリーへ向かった。ロンドン市内を見たかったのでダブルデッカーに乗車。ひどくなってきた雨のせいか渋滞に巻き込まれ、チャリングクロスまでずいぶんかかった。トラファルガー広場を横目にナショナルギャラリーへ入場。ここは無料で入れるというのがすごい。スコットランドの美術館も無料だったなあ。いい税金の使い方だと思う。美しく荘厳な建物の中に途方もなく大量の作品。圧倒されるなあ。

 

ここも時間があまりなかったのでラファエロやフェルメール、ダビンチも見たかったけれど、印象派やターナーの作品のある部屋を中心に鑑賞。ターナーの作品、空気感がダイレクトに伝わってきてとてもよかった。印象派もすごい数がそろっている。夢中で歩くうち、ふと目に飛び込んできた大作、ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》(1833年油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)に目が釘付けに。あああ、これもあったんだあ。中野京子さんの本や怖い絵展覧会のテレビ放映をみて、見てみたかった作品が目の前にある。ずいぶん大きな絵であることに驚きつつ、見入る。怖くて悲しい絵だけれど、美しい。背筋がぞぞっ。あどけない表情と、彼女のドレスの光沢と白さが胸に突き刺さる。この絵と出会えたのはほんとうにうれしかった。すごい絵だ。

もう一枚、以前からすごく見たかった、フィンランドの画家、ガッレンカッレラの湖の絵を見つけたときも飛び上がりそうになった。こちらは逆に思っていたよりうんと小さい絵だったが、素朴な宝石のように静謐で透明感のある美しい絵だった。北国の空気がこの絵の中に封じ込められているかのよう。出入り口に近かったのでホルバインのあの有名な絵も鑑賞して外へ。ちなみにゴッホの「ひまわり」は出張中でした。

ガッレンカッレラ

 

すぐ近くのハーマジェスティ―ホールでのオペラ座の怪人の時間が迫っていた。

ランチを済ませ、ホールへ。すごく小さな古い劇場だが高さのある造り。席はずいぶん上のほうで、座ると舞台がちょこっと見える程度、これでうまく鑑賞できるのかと心配だったが、それは杞憂だった。しかし、ここで今日一番の困難が発生した。空調なのか猛烈に冷たい風がじゃんじゃん来るのだ。うっかり開演前にコートを脱いでいたので、寒いことこの上ない。

しかし、ミュージカルが始まってすぐ度肝を抜かれる。オークションシーンから一気にシャンデリが高いところへと引き上げられるのと同時に響くオルガンの効果、クリスティーナの美しい声、そしてファントムの登場。彼の声のすばらしさはなんだろう、体全体をとらえられるような声に一瞬で魅了される。ゆるやかに動く船、きらめく蝋燭の光、見事な演出だ。時にファントムの声が背後から響き、古びたホールはそのまま、ファントムの住むオペラ座となり、私たちもすっかり物語の中にいるような心地だった。

後半、クリスティーナとラウルとファントムの間で繰り広げられる歌の素晴らしいこと。ラスト、ファントムの演技と歌にこめられた言葉にならない彼の感情がずしんと心に響く。すべてが終わり、仮面だけが残された瞬間、沸き起こる拍手の嵐。なんと素晴らしいのだろう。こみあげる涙をこらえて会場の外へ出たけれど、ついに耐え切れなくなってハンカチで顔をおおって泣いてしまった。同行のみんなもハンカチを手に涙をぬぐっていて、これを観れただけでも来た甲斐ががあったねえ、と。

以前、映画は観たけれど正直なところ、それほど感動しなかったが、今回の観劇で180度気持ちが変わった。ロイド・ウェーバーさんごめんなさい。長い間人々に愛され続ける理由がわかりました。そして言葉がわからないのに、ファントムの切ない気持ちがこれほどまでに伝わってくることにも驚いた。知人の「ロンドンでオペラ座の怪人を見て、初めてファントムの気持ちがわかった」という言葉を思い出す。まったく同感です。ロンドンすごい。

 

しかし、その夜、ランチのイタリアンと夜のサンドイッチが胃にこたえ寒さと疲れも重なって胃痛を起こし若干苦しむことになるおまけもついたのだった。

とほほ。

 

 

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