英国の旅 二日目 ストラトフォードアポンエイボンから湖水地方へ

  • 2019.06.30 Sunday
  • 22:41

JUGEMテーマ:旅行

二日目からはfujisanTravelの後藤さんが運転してくださる車で移動。

重たいスーツケースも車に積んでいただいて、一路湖水地方を目指す。

美しい風景を見ながら途中シェイクスピアの生家のある街、ストラトフォードアポンエイボンへ。ここも雨だったが、シェイクスピアの生まれた家を訪ねることができるなんて、と感激しきり。

シェイクスピア生家シェイクスピアの生家

(正面から)入り口に家紋(ペンのマーク)が
 

家の中にはフォルスタッフそのものみたいな頭の大きな太ったおじさんが当時の装束を着て座っていて、一瞬驚いた。低くて静かな語り口は物語そのもののようで、吸い込まれるような雰囲気を持っている。ジャパンのどこから来たのか?と問われ、さすがに鳥取はご存じなかろうと思いきや「おお、島根の隣だね」と。えええ?鳥取を知ってるの?しかも島根が出てくるとは〜。京都と松江の中間くらいにあるだろう、というから驚いた。なぜご存じだったかというと、日本中をヒッチハイクして回った人の本を何度も読んだからだという。九州、北海道、四国、本州、なんて言葉が出てくるのには驚いた。

裏からみたシェイクスピアの生家
 

生家にあるショップで、後藤さんがすすめてくださった猫のシェイクスピアの本、何気なく買ったのだけれど、帰ってからじっくり眺めるとこれが実に味わいがあってかわいくて、すてきなのだ。シェイクスピア印(?)のインクも購入してきた。これで書いたら名作が書けたりするだろうか♪

表紙すてきでしょ。
 

ロメオとジュリエットの悲しい場面にも

なんとなく安らぎが
 


 

 同じ街の古いパブにも案内してくださった。とっても雰囲気がいい。私は飲めないけれど同行の方のビールを一口飲ませてもらってその泡のおいしさに驚いた。あまり冷えてない黒っぽいビール。これはおいしい。こういうビールなら、練習すれば少しは飲めるようになるかもしれないなあ。いや、やっぱり無理かなあ。

 

 

運転してくれた後藤さんは英国生まれの日本人だそうで日本語も完璧、ほんとうに親切な行き届いた方で、まだコインの種別がわからない私たちがサンドイッチを購入するときにも、丁寧に手伝ってくださった。その時に「あ、このコインはとっておいたほうがいいですよ」と教えてくれたのが、確かビアトリクス・ポター生誕150年記念(だったと思う)で発行されたベンジャミン・バニーの50ペンスコイン!これはとてもいい旅の記念になりました。教えていただかなければ、絶対わからなかったなあ、ほんとに感謝。

50pence
 

その後、猛烈な雨になったり事故渋滞もあったりで、湖水地方に入ったのは夜8時ころだったろうか。「この国は一日の中に四季があると言われていて、ころころお天気が変わります。ということは、希望もあるということです」という後藤さんの言葉どおり、あれだけ雨が降っていたのに、湖水地方に入ったところで青空が広がり、日が差し始めた。日の入りが9時半くらいだから、まだ夕方の雰囲気である。

 

なだらかに続く緑の起伏。どこまでも果てなく見える雄大な緑の大地、そこに優しい斜めの陽ざしがさしている光景が目に飛び込んできた時には胸が熱くなった。泣きそうなくらいに美しい。百聞は一見に如かずとはこのことだと思う。車窓からだったので写真を撮るのも忘れて眺め続けていた。写真を撮っても、あの雄大さと空気感はよほどのカメラでないと伝わらないと思う。

英国の旅一日目 ロンドンー雨か涙か

  • 2019.06.22 Saturday
  • 23:38

ようやく到着したヒースロー空港は雨だった。ロンドンへと向かう途次、雨に煙る緑の中に立ち並ぶレンガの家々。そしてその屋根には煙突、煙突、煙突!メリーポピンズの世界だ。煙の出ている煙突も、なんと現役なのね。長旅でへとへとになった頭もしゃんとしてきた。そういえば、学生の頃初めて書いた詩は「銀の雨」というタイトルで、見たことも行ったこともないロンドンの街を想像しながら書いた詩だったなあとぼんやり思い出す。静かに銀の雨よいつまでも降っていてね、という、こっぱずかしいことこの上ない詩なのだが、あれから40年(笑、その憧れの街に今いることを不思議に思いつつ、その夜は爆睡した。

 

 

翌朝ホテルを出るときは曇り空、地下鉄アールズコート駅でオイスターカードを購入し、一路ロンドン塔へ向かう。混雑する地下鉄の駅で行先をおろおろ確認する私たちに親切な女性が「どこへ行くのか」と話しかけてくれ「こっちの線だよ」と教えてくれた。いい旅をと笑顔でにっこり。とても心がほっとしてありがたかった。混雑する車内にいささか緊張しつつも無事ロンドン塔に到着。入場料はずいぶん高くて驚いた(寄付つきで30ポンドちょっとだった)。歴史的建造物の保全のために必要なのだろうな。


ロンドン塔

小学生の頃、世界の歴史的建造物シリーズでロンドン塔とかタージマハルとか様々な写真とともに読みふけったのを思い出す。これがあのロンドン塔かあ〜。ロンドン塔といえば、何と言ってもヘンリー八世が思い浮かぶ。二人目の妻、アン・ブーリンが処刑された場所だなあ。しかし後からゆっくり案内を読むとなんとアン・ブーリンが処刑されたグリーン・タワーの見学を飛ばしてたことが判明(涙。見たかったなあ。あまりゆっくりは見学できなかったが、古びた室内の雰囲気を味わいつつ歩くと、ふいにタワーブリッジが見渡せる場所に出てびっくりした。

タワーブリッジ

テムズ川とタワーブリッジ。やはり絵になる。それにしてももうちょっと時間が欲しかったなあ。そうそう、ここのカラスには驚いた。実に立派な鷹みたいなカラス。「ロンドン塔からカラスがいなくなるとイギリスが滅びる」のだそうで、大切に飼育されているのだとか。日本でみるカラスとは全く違って、威厳のある姿はまるでここの主のようだった。

 

修学旅行生や団体の観光客でごった返すロンドン塔をあとに、次の目的地のナショナルギャラリーへ向かった。ロンドン市内を見たかったのでダブルデッカーに乗車。ひどくなってきた雨のせいか渋滞に巻き込まれ、チャリングクロスまでずいぶんかかった。トラファルガー広場を横目にナショナルギャラリーへ入場。ここは無料で入れるというのがすごい。スコットランドの美術館も無料だったなあ。いい税金の使い方だと思う。美しく荘厳な建物の中に途方もなく大量の作品。圧倒されるなあ。

 

ここも時間があまりなかったのでラファエロやフェルメール、ダビンチも見たかったけれど、印象派やターナーの作品のある部屋を中心に鑑賞。ターナーの作品、空気感がダイレクトに伝わってきてとてもよかった。印象派もすごい数がそろっている。夢中で歩くうち、ふと目に飛び込んできた大作、ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》(1833年油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)に目が釘付けに。あああ、これもあったんだあ。中野京子さんの本や怖い絵展覧会のテレビ放映をみて、見てみたかった作品が目の前にある。ずいぶん大きな絵であることに驚きつつ、見入る。怖くて悲しい絵だけれど、美しい。背筋がぞぞっ。あどけない表情と、彼女のドレスの光沢と白さが胸に突き刺さる。この絵と出会えたのはほんとうにうれしかった。すごい絵だ。

もう一枚、以前からすごく見たかった、フィンランドの画家、ガッレンカッレラの湖の絵を見つけたときも飛び上がりそうになった。こちらは逆に思っていたよりうんと小さい絵だったが、素朴な宝石のように静謐で透明感のある美しい絵だった。北国の空気がこの絵の中に封じ込められているかのよう。出入り口に近かったのでホルバインのあの有名な絵も鑑賞して外へ。ちなみにゴッホの「ひまわり」は出張中でした。

ガッレンカッレラ

 

すぐ近くのハーマジェスティ―ホールでのオペラ座の怪人の時間が迫っていた。

ランチを済ませ、ホールへ。すごく小さな古い劇場だが高さのある造り。席はずいぶん上のほうで、座ると舞台がちょこっと見える程度、これでうまく鑑賞できるのかと心配だったが、それは杞憂だった。しかし、ここで今日一番の困難が発生した。空調なのか猛烈に冷たい風がじゃんじゃん来るのだ。うっかり開演前にコートを脱いでいたので、寒いことこの上ない。

しかし、ミュージカルが始まってすぐ度肝を抜かれる。オークションシーンから一気にシャンデリが高いところへと引き上げられるのと同時に響くオルガンの効果、クリスティーナの美しい声、そしてファントムの登場。彼の声のすばらしさはなんだろう、体全体をとらえられるような声に一瞬で魅了される。ゆるやかに動く船、きらめく蝋燭の光、見事な演出だ。時にファントムの声が背後から響き、古びたホールはそのまま、ファントムの住むオペラ座となり、私たちもすっかり物語の中にいるような心地だった。

後半、クリスティーナとラウルとファントムの間で繰り広げられる歌の素晴らしいこと。ラスト、ファントムの演技と歌にこめられた言葉にならない彼の感情がずしんと心に響く。すべてが終わり、仮面だけが残された瞬間、沸き起こる拍手の嵐。なんと素晴らしいのだろう。こみあげる涙をこらえて会場の外へ出たけれど、ついに耐え切れなくなってハンカチで顔をおおって泣いてしまった。同行のみんなもハンカチを手に涙をぬぐっていて、これを観れただけでも来た甲斐ががあったねえ、と。

以前、映画は観たけれど正直なところ、それほど感動しなかったが、今回の観劇で180度気持ちが変わった。ロイド・ウェーバーさんごめんなさい。長い間人々に愛され続ける理由がわかりました。そして言葉がわからないのに、ファントムの切ない気持ちがこれほどまでに伝わってくることにも驚いた。知人の「ロンドンでオペラ座の怪人を見て、初めてファントムの気持ちがわかった」という言葉を思い出す。まったく同感です。ロンドンすごい。

 

しかし、その夜、ランチのイタリアンと夜のサンドイッチが胃にこたえ寒さと疲れも重なって胃痛を起こし若干苦しむことになるおまけもついたのだった。

とほほ。

 

 

JUGEMテーマ:旅行

二都物語ふたたび  木屋町通、無鄰菴

  • 2018.10.13 Saturday
  • 22:04

宿は河原町三条のあたり。チェックインのあと、夕食をとるため、木屋町通というのかしら、小さな川のほとり、桜並木の下をそぞろ歩きました。

 

 

 

 

 

 

 

途中、書店かな?と足を止めたのは、立誠小学校の跡地(現在、複合施設に生まれ変わるための工事中とのこと)で、工事の間も地域文化を発信するために立誠図書館を開設しているとのこと。中においてある本は京都に関連したもので、すごく面白そうな本がたくさんありました。調べてみたらこの春オープンしたばかりなのですね。

 

夕食のあと、道を戻ると、彦根藩邸跡地なんてのもあって、どこを歩いても歴史の記憶が詰まってますね。

 

翌朝、宿でおいしいおかゆを堪能し(実は今回の旅で一番おいしかったのは、このおかゆでありました)、パラパラ降り始めた雨の中、美術鑑賞前に無鄰菴へ。

 

山縣有朋の京都別邸であった無鄰菴。七代小川治兵衛作の庭を堪能。琵琶湖疎水の水を引き込み滝あり小川あり池あり、珍しい芝生もあれば苔もあり緑が美しい。無鄰会議が行われたという洋館も見学し、母屋で雨の美しい庭を眺めながらお抹茶をいただくうち雨もやみ、庭をゆっくりめぐることができました。

 

 

茶道教室もあるのだとか、こんなところで毎週お茶のお稽古ができたらすてきだろうなあ。

紅葉しかけた木々もあり、風情のあるよいお庭でした。琵琶湖疎水から来たこの水はどこへ流れているのですか?とお尋ねしたら、うちから瓢亭さんへと続いています、とのこと。名前はよく知っている料亭ですが、おお、無鄰菴のお隣だったのですね。

 

雨もあがった岡崎界隈、ゆっくり歩いて「東山魁夷展」が開催されている京都国立近代美術館へと向かいます。

 

 

恵比寿でブラタモリ?

  • 2018.08.13 Monday
  • 00:21

JUGEMテーマ:アート・デザイン

無事に『RENT』を観ることができて、ほっとした次の日、台風も少しそれたのか雨もあがって一安心。

帰りの列車までに半日あったので、美術館へ。

 

まずは山種美術館。一度行ってみたかった美術館です。

恵比寿で降りて歩いたのですが、ちょっと道に迷い、おかげで?入り組んだ路地を歩くうちに都会の真ん中のお寺に出会ったり。

そして、ここ。

085.JPGとても雰囲気のある古い建物で、何だろうと近づいてみると、塙保己一の文字が目に入りました。教科書で見たことある名前だなあと中へ入ったら、応対してくださった方がこの建物は温故学会会館という建物であること、そして、塙保己一のことも詳しく説明してくださいました。「群書類従」の編纂をした人と聞いて、おお、そうだったのかと。本物の群書類従の版木が保管されているのを見て、本当に驚き。今も現役で注文を受けると版木に墨を塗って、和紙で摺るのだそうです。複雑な字を彫った人もすごい。浮世絵の彫師といい、すごい技術ですね。この建物も、80年前では珍しい鉄筋コンクリートで、当時の著名人の協力を得て建てられたものとのこと。

 

 

 

087.JPG

そして山種美術館で、企画展「水を描く」風格と気品にあふれる日本画の数々を堪能しました。東山魁夷の「緑潤う」が出迎えてくれてさわやかな風が吹いてくるようでした。奥村土牛の「鳴門」もよかった。竹内栖鳳の小品二つ、ことに水墨を用いた水郷の風景(雨中山水)の奥行の深さが印象に残りました。墨ってすごいなあ。あと、吉田善彦の尾瀬を描いたものが心に残りました。充実の展示で、すっかり心身ともに涼やかに。

 

こちらは撮影が許可された作品(川端龍子「鳴門」)

 

そして、せっかく恵比寿へ来たからと恵比寿ガーデンプレイスへ。

タワーに登ったら、まあ、見事な展望。

089.JPG

江戸時代の塙保己一から、最先端のビルまで、恵比寿でブラタモリでした。

その後、もうひとつ美術展を観たのですが、それはまた、のちほど〜。

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