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    Into the Woods

    • 2015.04.15 Wednesday
    • 23:32
    楽しみにしていた映画、Into the Woodsの公開。CDで音楽には親しんでいたのですが、ストーリーはよくわかってませんでした(汗。聞けば、パン屋の夫婦、魔女、赤ずきんちゃん、ジャックと豆の木、シンデレラがまぜこぜになってて、後半は「めでたしめでたし」の後日譚でけっこうシビアな展開らしい、といった程度。やっと詳細なストーリーがわかるとわくわくでした。

    で、映画を観て、音楽はやはりすてきだったのですが、なんかCDから受ける感じと違うなあと。腑に落ちなくて、ソンドハイムの音楽の素晴らしさを教えてくれた人にその話をしたら、ブロードウェイのオリジナルキャストの映像があることを教えてくれたので早速鑑賞(映画のおかげで筋がわかる!)。いやあ、ほんとに素晴らしいの一言。で、感じたのは、ミュージカルの持ってるユーモアとか茶目っ気、スパイスの効いた(時にダークな)笑い、可笑しみみたいなのが映画に欠けていること。映画館ではほとんど笑いは起こらなかったけど、ミュージカルではお客さんがしょっちゅう爆笑してる!例えば、ミュージカル版でベルナデット(バーナデット?)・ピータースの演じる魔女はなんともチャーミング!メリル・ストリープはすごく上手だけど迫力ありすぎて若干怖かったなあ。とはいえ、メリル・ストリープの魔女がラプンツェルにむかって歌う「Stay with me」は素晴らしかったですが。

    いずれにしても客席と一体になって作るあのミュージカルの雰囲気を映画にするのは大変なことだなあと見比べてみて実感。とはいえ、映画になることでソンドハイムの音楽の素晴らしさをより多くの人に知ってもらうきっかけになっただろうし、ミュージカルに忠実に作られている映画のおかげで、この物語の中にちりばめられたたくさんの深い意味、物語、それらを考えるきっかけをもらえたのは実にありがたいことでした。

    だれもが素晴らしさと愚かさを併せ持っている、そのほろ苦さ。ときに辛辣に残酷に。その中ですこしずつ成長し、すべて受け止めた上で歌われる「No one is Alone」。物語を理解してその流れの中で聴いてはじめてわかる、その歌詞の深さと音楽の美しさがあらためて心に沁みました。人間って愛おしい生き物ですねえ。自分の人生のたくさんのterrible mistakesを、あたたかく包んでもらえるような気がして、聴くたびに涙がほろほろ。そのほかにも、たやすく正邪を決めてしまうことのおそろしさや自分自身で考えることの大切さ、この歌に込められた意味が今ほど必要とされているときもないのじゃないかしら、と思ったりします。真っ向から言葉にしてしまうと薄っぺらくなるけれど……。

    Hard to see the light now.
    Just don’t let it go.
    Things will come out right now,
    That’s the best I know.
    Someone is on your side,
    No one is alone.

    ひとつひとつのエピソードや言葉に込められた意味を考え始めると、まだいくらでも深読みできそうで、英語が理解できたならと残念。

    それにしても、ソンドハイムの音楽ってチャーミング、そして音楽というぴったりした皮膚を得て生き生きと跳ねているような言葉!たまらないですね。このごろソンドハイム漬けで、youtubeで映像のはしごしてます。彼の80歳のバースデーコンサートではミュージカルスターの人たちの歌のうまさと表現力のすごさに圧倒されっぱなし。最後のほうの女性6人による歌の競演では、歌詞の意味なんて全然わからないのにぼろぼろ涙がこぼれちゃって。一度、ブロードウェイでソンドハイムのミュージカル!観てみたいなあ。

    『ファウストのごう罰』

    • 2010.05.18 Tuesday
    • 23:09
    ハードディスクがいっぱいになってきたので、整理していたら、METライヴビューイングの『ファウストのごう罰』の録画が。

    ベルリオーズは苦手な作曲家なのになんで録画したのかしらん?と思いつつ、せっかくだから5分見てからゴミ箱送りにしようと見始めたら、これが面白くて、結局最後まで見てしまいました。たぶんスーザン・グレアムが出てたから録画したんですねえ。

    ベルリオーズは、幻想交響曲がどうもわからず(好き嫌い以前に、なぜだかはいっていけないのであります)、苦手意識をずっと持ってたのですが、不思議なことにオペラにはわりと楽に入り込めたのでした。

    こちらのブログに、写真つきで筋も詳しくかかれていて、感想も至極同感!だったので、詳細はこちらを(爆。手抜きしてすみません。

    メフィストフェレス役のジョン・レニエという人は、すごいかっこいい悪魔ですねえ。そして、マルグリット役のスーザン・グレアム(BSの字幕はスーザン・グレイアム)がほんとにすばらしかった。4部のところの独唱もラストも胸うたれました。出番前にインタビューという、まあ、一番緊張のときにも関わらず、にこにこ話をし、さばさばっと階段を上っていく姿、かっこいいのひとこと。




    『ファウストのごう罰』は全然その筋を知らなかったのですが、あとでいろいろ調べたら劇的物語ということで、演奏会形式での上演がほとんどらしいですね。実際、くるくる変わる場面を舞台で再現するのは大変そうです。そのために映像を多用。あとは伸縮性のあるロープでびゅんびゅん人が上からおりてくる、むむこれは?と思ったらそうそう、シルク・ド・ソレイユを演出してる人の演出だそうで。面白くて、飽きずに見ることができました。筋がだいぶん飛躍するところはあとで読んで、ああ、そういうことだったのかと補いつつ。

    それにしても、生身の人間が十字架のキリストになって出てきたときは、ちょっとぎょっとしました。それも最初一人?だったんですけどね、すこししてライトがついていっぱい出てきたときには、おおおおおお。胸毛いっぱいのキリストさんもいたりして。でもポージングが一番うまかったのは最初の人でしたね。ひとりひとり微妙に違う(笑。(さきほどご紹介したブログに写真があり)。

    ラスト男性合唱の方たちが上半身裸だったのにも、一瞬ぎょっとしましたが、そのあとマルグリットが天に昇るところでは、全然キリスト教徒ではないわたしもうるうる来て。さきほどご紹介したブログの方も書いておられますが、わたしもフランダースの犬を思い出してました。すごーく同感。

    ベルリオーズ苦手度がすこーし減じたかも。というわけで、教訓。録画番組、ぽいする前にぜひ5分。

    一度、映画館でMETライヴビューイング見てみたいですねえ。福岡まで出ればみられるのかなあ。



    『世界最速のインディアン』

    • 2010.04.10 Saturday
    • 20:23
     ブログ放置もはなはだしい日々の間に、桜が咲いて散って。
    3月は寒かったですねえ。体調も低空飛行で、仕事こなすのがやっとでありました。

    休日はもっぱらハードディスクの録画番組を消化。映画館でみそこねていたこの映画『世界最速のインディアン』は、楽しい映画だったなー。

    ニュージーランドの南端のインバカーギルという片田舎(たぶん)の町で、愛車1920年型インディアン・スカウトの改良を重ね、ついには1000cc以下の流線型バイク世界記録保持者になった、実在の人物バート・マンローの物語。

    マンローの夢はアメリカのボンヌヴィル塩平原で世界記録に挑戦すること。しかし年金暮らしでは渡航費もままならない。そんなある日狭心症の発作をおこした彼は、命のあるうちに、と25年間描きつづけた夢の実現にむけて行動しはじめる。家を抵当に借金をし、ライダーの聖地であるボンヌヴィルへ旅立つ。

    って書いてると字面にかなり悲壮感があふれちゃうけど、アンソニー・ホプキンス演じるバート・マンローは、なんとも、とらわれのない魅力的なおじいちゃんで、行く先々でいろんな人が彼のファンになってしまう。まっすぐ前をむいて、ひたすらひとつの道を極める人の持つオーラでしょうねえ。男も女もほれちゃう男、バート・マンロー。バイクについて語るときの彼は哲学者のようであります。

    さまざまな障壁がたちはだかるたびにどこかから助け舟が。ラストで彼の愛車インディアンが見せてくれる走りには胸が熱くなりました。

    彼のことを書いた本もあって、その表紙のご本人の写真を見ると、たしかにいい男〜(笑。もてるのも納得だなあ。

    彼の庭の檸檬の木には今もいっぱい実がなってるのでしょうか。



    『An Unfinished Life』

    • 2010.02.13 Saturday
    • 20:19
    ロバート・レッドフォードとモーガン・フリーマンというめちゃ渋コンビに、ハルストレムが監督となれば、観なくちゃ〜とレンタルしてきた『An Unfinished life 』。

    自慢の息子グリフィンを事故で失い、持ち前の頑さから妻にも去られ、今はひとり牧場に住む老年の男アイナーをロバート・レッドフォードが好演(つなぎのももひきみたいなの着ててもかっこいいおじいちゃんっているのね)。彼を見守る(熊に教われて療養中の)友人ミッチをモーガン・フリーマンが、静かに、しかし圧倒的な存在感をもって演じてます。

    息子の妻で家出でしたジーン(ジェニファー・ロペス)とその娘(ベッガ・ガードナー)が、やむなく確執のあるアイナーのところへ身を寄せるところから物語がはじまります。事故で亡くなった息子グリフィンの死後、その原因を巡って互いに深い心の傷を負い、憎みあっていた二人。ですがアイナーはその存在すら知らなかった孫娘に息子の面影を見、彼女との交流にすこしずつ喜びを見いだします。様々な出来事やミッチをはじめとする周囲の人たちの言葉をとおして、頑なだったアイナーとジーンはすこしずつ互いを理解し、思っていることを口にできるようになり……。

    カナダの大自然と、影の主人公ともいえる熊と。峻厳な自然の美しさはほんとにみていて心がすがすがしますね。あ、それから孫娘役のベッガ・ガードナーがすんごくいいのですよ。なんか誰かに似てるんだよなあ、彼女(しかし思い出せない)。シンプルな話だけれど見終えたときには心がほかほか。ハルストレムの映画はどれもそうですねえ。

    ジーンは元恋人のDVから逃げるために、仕方なくアイナーの元へ身を寄せたわけですが、その元彼の存在もかなり恐怖でした。映画では、アイナーや保安官に守られて、最後はしっぽを巻いて逃げるその姿がユーモラスでさえありますが、現実はもっともっと厳しいのかも。守ってくれる存在がなければ彼女もどうなっていたかと想像するだに恐ろしいものがありました。

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