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    『使いみちのない風景』

    • 2006.11.23 Thursday
    • 23:54
    使いみちのない風景
    使いみちのない風景
    稲越 功一,村上 春樹

    昨日の休日、広響の定期まで少し時間があったので、久しぶりに袋町にある大きなブックオフへ。
    正直このブックオフは苦手なのです。何が苦手ってあの店員さんたちの「いらっしゃいませ、こんばんは――」という途轍もなく画一化され、なんの感情もこもらないデカイ声のリフレイン。最悪です。気持ちのこもってない声って不気味じゃありません?

    この冬初のセーターと厚手のジャケットを着込んで出かけたら、拍子抜けするほどあたたかくて、汗をかきながら棚の間をめぐるハメに(不機嫌の原因はこれかな?)。これなら、開演までに読めそうかなと思って買ったのがこの本。
    結局、ブックオフに長居しすぎて開演時間ぎりぎりになり、冷たい雨の降る今夜、読んでます。

    『僕らの中に残っている幾つかの風景、いくつかの鮮烈な風景、でもそれらの風景の使いみちを僕らは知らない。』
     
    これを読んだとき、自分の中の‘使いみちのない風景’がなだれ打つように溢れてきて、泣きたくなりました。

    『それじたいには使いみちはないかもしれない。でもその風景は別の何かの風景に――おそらく我々の精神の奥底にじっと潜んでいる原初的な風景に――結びついているのだ。』

    記憶は古い写真のようで、瞬間瞬間そこだけ切り取られて鮮烈に焼きついていることが多くて、そのときの音、色、匂い、感触、言葉、まったく古びないのに‘そこにはもうない’という厳然とした事実。

    『僕は思うのだけれど、人生においてもっとも素晴らしいものは、過ぎ去って、もう二度と戻ってくることのないものなのだから。』

    なるほど。もうすこし、時間とのつきあいかたが上手になれたら、わたしもオトナになれるのかな。

    昔、せっせと読んでいた村上春樹。「ダンス・ダンス・ダンス」以降、あまり読まなくなった。けど、最近なぜか気になってしょうがないのです。
    古本屋には村上‘龍’の本はわりとあるのに‘春樹’のは少ないような気がするんだけど、どうだろう?売れてる数はすごいんだろうから、それだけ読んだ人が手離したくないと思ってるってことなのかな、と勝手に解釈してみたり。もしくは、店頭に並んでもすぐに買われていくんでしょうか。
     
    それにしても、村上春樹ってポール・サイモンに似てるなぁ。

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    • 23:54
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      コメント
       村上春樹の本は読んだことないんですけど、インタビューで彼は小説を書くときに頭から順に書いていって、終結がどうなるかは執筆の最中は明確に見えてないっていうことを言ってたのが面白かったです。ぼくもそうやって曲書くので。。。
       それにしてもブックオフのあれは異様ですね。誰に向かってしゃべってるんだろう。
      • にしお
      • 2006/11/28 8:54 AM
      にしおさん、こんにちは!

      そうですか、終結は書いていくうちに決まるんですね。にしおさんの作曲も、そうなんですね〜。
      ものを作る人のそれぞれの流儀というか、プロセスってすごく興味深いですね。それを知って作品に立ち返ると、また面白さが増したりします。

      ブックオフ、あれはもうヤケになって怒鳴ってるようにすら聞こえてしまいます(^^;)、店舗が大きいと店員さんも多いので、ずっと聞こえてる。体調の悪いときは、あれがとくにこたえます(苦笑。としかなぁ。
      • phoebe
      • 2006/11/28 5:13 PM
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      映画を観る前にと「ノルウェイの森」を再読中。 本棚の裏側に潜んでいたその本は、 クリスマスカラーである。 懐かしい。 が、「ブックオフ」の100円のシールが……。 そんなこんなで、息抜きに村上春樹のエッセイなども 読んでみる。 こんな生活、
      • 月灯りの舞
      • 2011/01/03 12:47 PM
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