広響&井上道義 ショスタコーヴィチ 9番14番

  • 2007.11.16 Friday
  • 23:17
ほんとに久しぶりに広島交響楽団定期演奏会にいってきました。先月も楽しみだったのですが、いけずじまい(TT)(あ、でもテレビ放映があるそうです♪)。

今日は井上道義さん指揮のショスタコーヴィチの9番、14番。井上さんの客演のときは、いつもとてもいい演奏が聴けるし、東京でのショスタコーヴィチがとても好評とのことで、楽しみにしていました。曲についてはほとんど知識なし、音も聴いたことなしの真っ白で出かけました(^^;)。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ (1906-1975)
 交響曲第9番 変ホ長調 作品70
 交響曲第14番 ト短調 作品135 《死者の歌》
 アンナ・シャファジンスカヤ (ソプラノ) サルゲイ・アレクサーシキン (バリトン)
     広島交響楽団 井上道義 (指揮)

ロビーで、ショスタコーヴィチ大好きなA谷さん超ひさしぶりにばったり。「生きているうちに14番を生で聴けるとは思わなかった」と感動の面持ち。曲に関して簡単なレクチャーをうかがうことができました。それぞれの曲の前にも、井上さん自身から、曲について話がありました。これが実におもしろいし、深いし、よくぞ言ってくださった!という直言もありで、痛快爽快。会場も大いに沸きます。

9番は、短い曲ですが、いろんなエッセンスが詰まっていますね。オーケストラも一体感と集中力がすごい!おおっ、なんだか見違えるような(というと失礼ですが)すばらしい演奏でした。リズムが実に小気味よくそれぞれのソロもすてきです。

14番について井上さんは「死者の歌」とは言いたくないと。「死者は歌いませんからね」と軽妙な語り口で会場を沸かせてくれます。「死とは生きること」という言葉。そろそろ、人生半ばを通り越して‘死’というみなが必ず辿りつくものについて、考える機会が多くなることもあり、心に響きました。ロルカ、アポリネール、リルケ、キュヘリベーケルの詩のロシア語訳と日本語訳が掲載されていて、この日は井上さんのご配慮で、詩と共に味わえるように、会場を暗くせずに演奏。それがすごくありがたかった!(明後日、18日、東京での演奏会は字幕がつくそうです)

この14番の演奏がほんとうにすばらしくって、詩の内容を味わいながら聴いていると、じわじわとこみあげてくること、度々。深く深く音楽と詩が絡み合い響きあい沈潜していきます。

歌のお二人の素晴らしさは言うまでもなく、演奏も最後まで集中力を欠くことなく、細部まで描ききった感がありました。低弦が活躍する曲ですね。特に3楽章(アポリネールの詩による「自殺者」)のマーティンさんのチェロのソロと歌が絡むところは、なんともいえない感動が。ヴィオラもコントラバスの響きもすてきでした。

いい演奏だったので、すごく集中して聴いたにも関わらず、まったく疲労感がなく、かえって元気になった帰り道。音楽の力はすごい。お客さんもたくさんはいっていて、ものすごい拍手でした。

帰り道「ほんとにいい演奏会だったね〜」と感想を語り合いながら数人で歩いてたとき「いい演奏のときには、いい意味で時間が長く感じる」といわれる言葉をきいて、なるほど、内容の豊かさが、一定時間内の凝縮度を高めて押し広げるような感じかなぁ、と思ったり。
バルトークが聴きたくなったという人もいたし、わたしはというと、とってもアイヴズが聴きたくなったんです。繫がるものがある気がして。そして、ショスタコーヴィチも井上さんも、とんでもなく知的な人であり、同時にとても繊細な人なんだろうね、という話もでていました。

明後日、東京日比谷公会堂で同じ演奏者とプログラムで演奏会があるそうです。3000円ってびっくりするようなチケットの安さで、あの演奏が聴けるなんてすごいです。けして後悔させません(って、わたしが演奏するわけじゃないですが^^;)。ぜひお出かけください。

日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007 コンサート5 
2007年11月18日 (日) 午後3時開演
日比谷公会堂
プログラム
 ドミートリー・ショスタコーヴィチ (1906-1975)
 交響曲第9番 変ホ長調 作品70
 交響曲第14番 ト短調 作品135 《死者の歌》
 アンナ・シャファジンスカヤ (ソプラノ) サルゲイ・アレクサーシキン (バリトン)
     広島交響楽団 井上道義 (指揮)
入場料  全指定席 3,000円   青少年 (大学生以下) 1,500円
チケット  カジモト・イープラス http://kajimotoeplus.com/
問い合わせ 
  「日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007」実行委員会事務局
    (梶本音楽事務所内)  TEL (03) 3571-1906 FAX (03) 3574-0980

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コメント
 読みながら、いいないいな、と地団駄。。。(>_<;) この公演がそのまま東京に来るというのに都合が。でも、一人でも多くの方に聴いていただきたいな、とも思います。(^-^;)

 ふと思い立って、すごくひさしぶりにCDで14番を聴いているのですけれど、バルトークやアイヴズへの連想というのはちょっと分かる気がします(第2楽章なんかまんまバルトークっぽいですし)。副題から勝手にレクイエムのようなイメージで捉えていましたが、なんというか全然枯れてないというか、現代音楽やオペラに目配りしながらそれを交響曲という枠の中にぎゅっと凝縮したようなすごく野心的な作品に聞こえてきました。

 あと、もちろん演奏あっての話だとは思うのですけれど、客電(照明)のことやプレトークなど、聴衆に少しでも伝えられるようにという格式張らない心配りが嬉しいですよね♪東京の全曲演奏プロジェクトでひさびさに井上道義さんのステージに触れていっそうファンになりました。
  • KURIKURI
  • 2007/11/17 9:09 PM
KURIKURIさん、コメントありがとうございます。KURIKURIさんの日記を拝読していて、これはほんとにいい演奏が聴けそうだなぁー!と期待してでかけました。期待以上でした!ありがとうございました。18日、ご都合が悪いとのこと、ほんと残念ですね〜。なんか井上さん、録音してCDも売りますからねーって、おっしゃってたような・・・。

>副題から勝手にレクイエムのようなイメージで捉えていましたが、なんというか全然枯れてないというか、現代音楽やオペラに目配りしながらそれを交響曲という枠の中にぎゅっと凝縮したようなすごく野心的な作品に聞こえてきました。

ほんと物語の豊かさと、とても現代的な響きとに満ちていて、すごい作品だなぁ、と思いました。死を真っ向から見据えて、なお、死を超えるみたいな・・・・・・。だからでしょうか、カタルシスに似たものを得て、終演後あんなに元気になったのかなぁと思ったりもしました(もちろん、演奏がすばらしかったのが、一番だと思いますが)。

井上さんの心配りはほんと、ありがたかったです。練習は相当緻密になさっていたとのこと。指揮も明確にして優美。音楽に対する考え方がとてもすてきだなぁーと、わたしもすっかりファンになってしまいました(^^)。
東京の日比谷でのツィクルス、楽しみなものなのですが、今のところ4回中1回(10番&13番)を聞いたのみ。この、9番&14番もとても行きたいのですが、都合が付きません。こちらのエントリを読んで更に行きたい行きたい感は強まりましたが、でも行けません。残念。
もっとも、東京に住んでこの催しに1回でも多く参加できるというのは、それだけで喜ぶべきことかもしれません。あまり贅沢を言ってはいけないですね。
 いえいえ、お気遣いありがとうございます。m(_ _)m よく考えると期待を高めたり残念がったりできるのも、その場におらずともいろいろ読みに伺って追体験やプレ体験することができる時代のおかげ。つくづくすごいな〜と思います。(^-^=)

> なんか井上さん、録音してCDも売りますからねーって、おっしゃってたような・・・。

 おお〜!これは実現したら嬉しいです。たしかに日比谷の公演では指揮台の真上にガッチリした固定マイクが設えられていてちょっと気になっていました。こちらでもなにかコメントがあるか注視してみたいと思います。素敵な情報ありがとうございました♪
  • KURIKURI
  • 2007/11/18 12:58 PM
広島方面からの後押しもあり、行ってきました。1,2,3番に続き2回目の日比谷でした。

phoebeさんが書かれているように、いやま本当に素晴らしい演奏体験でした。CDだけで聴いているだけでは感じることの出来ないものをしっかり受け止めてきました。

今日の演奏でなんというかこの曲の「本当の姿」を漸く感じることができたような気がします。そしてこの曲を本当の意味で「好きだ!」と言えるようになったような気さえします。

弦楽器のトップは何れも素晴らしかったです。チェロはいわずもがなですが、個人的にはヴィオラのソロに最大の拍手を送りたいであります。あと9番のファゴット!!!

ともあれ14番であれだけブラボーが飛び交うのは、フツーの音楽ファンにもこの音楽がしっかり通じた証左なんでしょうね。本当に素晴らしかったです!
  • bahr
  • 2007/11/18 7:14 PM
ガーター亭亭主さま>コメントありがとうございます!9番14番は残念ですね〜。東京はほんとにコンサートがいっぱいで、いいなーと思います〜!とはいいつつ、わが町にオケがあるだけでも、ハッピーなことだな、とあらためて。平和公園をのんびり歩きながら音楽をふりかえる時間も得がたいものでした〜。

KURIKURIさん>おおっ、やっぱりマイクがっ!(笑。楽しみですね♪

bahrさん>かぜの具合はすっかりよいですか〜?おでかけくださったのですねー。広島方面(笑、のひとりより、ありがとうございますっ!です。

そうそう、ヴィオラよかったでしょう〜!9番のファゴット、あんなに長いファゴットソロって初めて聴いたような気がしますが、お見事でしたよね〜。

ショスタコーヴィチは、これまでまったくCDを聴いてなかったんですけど(持ってはいるのですが・・・^^;)ちょっとこれからしっかり聴いてみようと思いました。生で聴かなければ、なんか難しい曲!で終わってたかも・・・・。いいライブ演奏に接すると、音楽との距離がぐんっと近くなれて、ほんと、ありがたいです。
  • phoebe
  • 2007/11/18 8:03 PM
9番と14番を1日で聴けるとは、とても羨ましい演奏会ですね♪
>いいライブ演奏に接すると、音楽との距離がぐんっと近くなれて、ほんと、ありがたいです。
そうそう、CDでは苦手だった曲もライヴで聴くとそれがきっかけで好きになったりとか♪
phobeさんの日記を拝読して、久しぶりにタコ9とか14のCDを引っ張り出そうかな、って思いました。
・・・でもどの辺りに埋もれてるんだろう???
  • ふぉんぶらうん
  • 2007/11/20 8:16 PM
ふぉんぶらうんさん、コメントありがとうございます〜。なかなか無い機会に恵まれて、その上いい演奏で、とてもうれしかったです。コンサートで聴いて好きになった曲、たくさんあるなぁーー。
事情がゆるせば(時間的、経済的に・・・^^;)もっともっとコンサートへいきたいのですが〜。

ふぉんぶらうんさんちのCD、現在も日々増殖中、かな?探すのほんと大変ですよね(笑。最近、ようやく整理がついて、見つけたいCDにすばやくたどり着けるようになりました。そういえば、このブログも、元々はCD整理のために始めたんでした・・・・・・・それも今は昔・・・・(遠い目)。
  • phoebe
  • 2007/11/20 11:57 PM
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