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『ガーンジー島の読書会』メアリー・アン・シェーファー、アニー・バロウズ

メアリー・アン・シェイファー,アニー・バロウズ

メアリー・アン・シェイファー,アニー・バロウズ

 木曽さんちで紹介されていて読みたいなあと思っていた『ガーンジー島の読書会』を読了。

第二次世界大戦後のロンドンで、名前が売れ始めた女流作家ジュリエットが主人公。偶然、彼女の蔵書であったチャールズ・ラムの「エリア随筆・選集」を手にした、ガーンジー島のドージー・アダムズから届いた一通の手紙。そこから、ジュリエットとガーンジーの島の人々、そしてもう一人の主人公とも言えるエリザベスの物語が始まる。大戦時、ドイツ軍に占領されていたガーンジーの人々の苦難、自由な精神でそれに立ち向かおうとしたエリザベス。そのほとんどが書簡という形で描かれていく。

書簡なのでとても読みやすく生き生きとしていて、一気に読むことができた。占領下での悲惨な状況やつらい別れ、収容所での様子が描かれている箇所では胸が詰まるけれど、島の読書会の個性豊かなメンバーや、美しい自然、そしてジュリエットの親友ソフィーとその兄シドニー(仕事のパートナー)との愛情やユーモアあふれるやりとりに、時折くすっと笑いながら、最後はとても幸せな気持ちで本を閉じることができる。

「私が読書を愛するのは、それがあるからです。本の中で、ある小さなことが読み手の心を捉えると、その興味がべつの本へと読者を導き、第二の本の中の小さなできごとが、またべつの第三の本へと誘う。幾何学模様のように広がっていくのですー行き着く先はなく、ひたすら純粋な喜びのためだけに。」(ドージーにあてたジュリエットの手紙より)
 
ひたすら純粋な喜びのために、という言葉が心に響いた。作者のメアリーそのものが出ているような気がする部分だ。

衛生状態は悪く、食べるものは極端に不足、自由もない。そんな中で本を読むということ。そんな状況をとても想像できないのだけれど、そんなときだからこそ、本が人々の心を救い結びつける役割を果たしたのかもしれない。

それにしても、戦争はないに限る。自由に本を読み音楽を聴き、それを語ることができる幸せをあらためて噛みしめる。

ジュリエットの恋も大切な要素。彼女を取り巻く男性たち、とくに彼女に猛アタックをかけるアメリカの資産家のマーク・レイノルズは、なんだか憎めないキャラで(笑、映画化するとしたらこの役を誰にやってもらうか考えるだけでも、かなり楽しいかも。バラが似合う人じゃなきゃだめだな。

フランスにとても近いところにあるガーンジー島、まったく知らない場所だったけれど行ってみたくなった。イギリス王室属領だけれど、高度な自治権を有しているとのこと。主要都市の欄に「不明」って書いてあるのが渋い。

著者のメアリー・アン・シェーファーは、この本が最初で最後の著書で、完成を待たずに世を去り、姪の作家、アニー・バロウズが引き継いで完成させたとのこと。きっとすてきな人生を送った人なのだろうなあと想像する。

そして、この本を読んだあとは猛烈にお手紙が書きたくなること間違いなし。ただ、ネタと時間がないのだなあ(涙。そのうち私からわけもなく手紙が届いたりしたらきっとそれはこの本のせいです、お許しあれ(笑。


| 22:59 | comments(0) | trackbacks(0) | phoebe

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