鮫ではなく、サバだった?

  • 2018.10.01 Monday
  • 22:18

世の中は未知のものであふれている。まだ読んだことのない本、観たことのないもの、行ったことのない土地、知らない文化。それを思うとソワソワしてしまう性格ゆえ、一度読んだ本や映画なんかはよほどのことがない限り、それきりになってしまう。本を読むのもそれほど早くないし、時間が有り余っているわけでもない。

 

そういう性格の私を大昔ある女性が「○○さんは、鮫みたいね、鮫って泳いでないと死ぬらしいわよ」とおっしゃった。それ以来、私は鮫、なのである。そう思い込んでいた。好奇心の赴くまま「鮫しま〜す」と泳いできた(このごろはちょっと失速中)。しかし。

 

先日カンボジアの監督として初采配をしたあとの本田選手のインタビューで「僕は回遊魚だから止まらない」といったようなフレーズが出てきた。スケール感は、象とありんこくらいに違うが、お仲間だわ〜と嬉しくなったのも束の間、ん?回遊魚も止まると死ぬの?なぜ鮫じゃないの?という疑問がふつふつと沸いてくる。

 

たまたまその時に、近くに海洋生物のスペシャリストがおられたのでその疑問をぶつけたら、鮫の中でも外洋を泳ぐ種類は止まると死ぬらしいが、あてはまらない鮫もいるらしい。進化がどうのとかいろいろ詳細に説明してくれたが、その部分はよくわからなかったので(;^_^A端折ります。で、回遊魚ってどんな魚を言うんですか?と尋ねたら「サバとか、カツオとか、マグロとかですかね」とのこと。

 

えええ?じゃあ「鮫しま〜す」は正しくは「サバしま〜す」とか「カツオしま〜す」と言われねばならなかったのか。いい出汁とれそうだけど、語感が今いちだなあ、とほほ。

 

とりあえず「回遊魚しま〜す」と言い換えてみようか。が、しかし回遊魚でも止まったら死ぬ(鰓を自分で動かせない種類)ものと、そうでないものといるらしい。どこまでも正確を期そうとすると、なかなか厄介かも(;^_^A

 

まあ、そんな、ある種の鮫ならびにある種の回遊魚的な私がこのごろ、珍しく再読、再鑑賞をした本や映画のお話は、また、次回。

JUGEMテーマ:日記・一般

 

『生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。』

  • 2018.09.11 Tuesday
  • 22:18

JUGEMテーマ:アート・デザイン

恵比寿から、帰路に着くために東京駅へ。そこで『生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。』を見ました。移動の必要がないので、新幹線に乗るまでの少ない時間でも鑑賞ができるのがありがたい。ステーションギャラリー、初めてでした。

 

いわさきちひろというと、きれいな淡い色合いの花やこどものかわいさ、という印象でしたが、どこかでその生涯にはたくさんの困難もあったということを聞いたことがあり興味を惹かれました。

 

丹念に絵描きいわさきちひろの生涯を追ったすてきな展覧会で、彼女の生涯と作品制作の様子や苦悩までボリュームたっぷり。

 

恵まれた少女時代、とても自由で先進的な教育を受けた女学校時代。その後のつらい戦争の時代。戦後、共産党員として活動し同じ党員の夫と出会い結婚してから。どんなときも生涯に渡って絵を描き続けていた彼女。

 

とても器用だったちひろが、自身で縫ったワンピースや、海外から家族に宛てた絵葉書や、愛用の品物も展示されていました。びっくりしたのは左利きだったということ、初めて知りました。

 

数年、環境的に絵が描けない時期に、藤原行成流の仮名文字を習ったそうで、それは右手で書いたそうです。それもわずか数年で先生の代わりをするほどの腕前。やはり何をやってもすごい人だったのですね。彼女が絵を描き、そこにかな文字で文章をしたためた手紙の展示には舌を巻きました。繊細で優美なかな文字の美しさといったら。羨望がうずまきます(笑。

 

そして、ちひろ自身も大好きだったアンデルセンの挿絵の「マッチ売りの少女」と「赤い靴」に胸を打たれました。アンデルセンの物語世界の核心を絵にして取り出したような力のある絵でした。ちひろがとてもアンデルセン童話を愛していたのが伝わってくるようでした。

 

新しい技法や、テーマなど様々な模索を続けながら描き続けたちひろの人生、すてきです。

 

それにしても、画家の一生を追った展覧会というのはほんとに面白い。最近では絵本画家の林明子、ムーミンの作者トーベ・ヤンソン、そしていわさきちひろ。そこには何か共通の創作に対するひたむきな強さを感じ、深い尊敬の念が湧いてきます。創作というのは喜びであるとともに、途方もなく苦しくて孤独な闘いでもあるんだろうなあ。

 

まだまだじっくり見たかったのですが、新幹線は待ってくれません。お土産も買わねばなりません。巨大な東京駅で迷ったら大変です。赤レンガと最新設備がうまく調和したステーションギャラリーをあとに帰路についたのでした。

 

恵比寿でブラタモリ?

  • 2018.08.13 Monday
  • 00:21

JUGEMテーマ:アート・デザイン

無事に『RENT』を観ることができて、ほっとした次の日、台風も少しそれたのか雨もあがって一安心。

帰りの列車までに半日あったので、美術館へ。

 

まずは山種美術館。一度行ってみたかった美術館です。

恵比寿で降りて歩いたのですが、ちょっと道に迷い、おかげで?入り組んだ路地を歩くうちに都会の真ん中のお寺に出会ったり。

そして、ここ。

085.JPGとても雰囲気のある古い建物で、何だろうと近づいてみると、塙保己一の文字が目に入りました。教科書で見たことある名前だなあと中へ入ったら、応対してくださった方がこの建物は温故学会会館という建物であること、そして、塙保己一のことも詳しく説明してくださいました。「群書類従」の編纂をした人と聞いて、おお、そうだったのかと。本物の群書類従の版木が保管されているのを見て、本当に驚き。今も現役で注文を受けると版木に墨を塗って、和紙で摺るのだそうです。複雑な字を彫った人もすごい。浮世絵の彫師といい、すごい技術ですね。この建物も、80年前では珍しい鉄筋コンクリートで、当時の著名人の協力を得て建てられたものとのこと。

 

 

 

087.JPG

そして山種美術館で、企画展「水を描く」風格と気品にあふれる日本画の数々を堪能しました。東山魁夷の「緑潤う」が出迎えてくれてさわやかな風が吹いてくるようでした。奥村土牛の「鳴門」もよかった。竹内栖鳳の小品二つ、ことに水墨を用いた水郷の風景(雨中山水)の奥行の深さが印象に残りました。墨ってすごいなあ。あと、吉田善彦の尾瀬を描いたものが心に残りました。充実の展示で、すっかり心身ともに涼やかに。

 

こちらは撮影が許可された作品(川端龍子「鳴門」)

 

そして、せっかく恵比寿へ来たからと恵比寿ガーデンプレイスへ。

タワーに登ったら、まあ、見事な展望。

089.JPG

江戸時代の塙保己一から、最先端のビルまで、恵比寿でブラタモリでした。

その後、もうひとつ美術展を観たのですが、それはまた、のちほど〜。

『RENT』来日公演

  • 2018.08.12 Sunday
  • 00:44

JUGEMテーマ:音楽

 

 084.JPGいつかブロードウェイでジョナサン・ラーソンの『RENT』を観たいと思いつつも、公演終了と聞いて諦めていたが、ある日いつもは読まずに削除しまくるチケット会社からのメールを何気なく開いたら、この夏、オリジナル演出版『RENT』の来日公演があるというではないか〜!これを逃したら一生後悔するかもと、東京まで遠征。2016年の年末にも来日公演あったんですね、知らなかったなあ。

 

新幹線の中で老眼鏡が壊れるアクシデント発生、台風直撃で折り畳み傘はボロボロに。東京の猛烈な人の多さと絡み合う糸のような電車の路線にめまいを覚えながらも(大げさ?)無事、東急シアターオーブのある渋谷ヒカリエに到着したときはうれしかったです(笑。

 

二階席から、ああ『RENT』のセットだ!と感慨にふけっていると、マークとロジャーが何気なく登場。そこからすっと舞台の上の世界に引き込まれて、2曲目のRENTが終わる頃には、じわっと涙が。生の歌、すごい、これが本物の『RENT』なんだあ〜〜、としばし異次元の歌のうまさに圧倒されっぱなしでした。

 

 

エンジェルの登場に会場が湧き、Life Supportのシーンで、Another dayの美しいメロディーのさわりがコーラスで歌われる部分のハーモニーの美しさに心奪われ(天上にいる心地でした)。Will I?もすてきな曲。そしてエンジェルとコリンズとのデュオIll Cover Youが心に沁みて。

 

ロジャーが繰り返し、たった一つの歌をと願うOne Song Gloryのフレーズが出てくるたびに、作者のジョナサン・ラーソンと重なって、今彼がこのミュージカルを愛してる世界中の人の姿を見ることができたならと切なくなってしまった。

 

モーリーンの歌は、もうド迫力の声量とうまさ。ラ・ヴィ・ボエームも楽しい♬ 気合いれて聴きすぎて、一幕終了時にはへとへとに。

 

二幕は「Seasons of Love」から。

この曲で私も『RENT』の虜になったんだったなあ。これが生で聴けるなんて幸せ。愛にあふれた名曲ですね。二幕は一幕から一年後で、切ない楽曲が多いかな。

 

そして、エンジェルが死ぬシーン。みんながエンジェルの思い出を語る後ろで、真っ白なシーツをまとったエンジェルがライトを浴びながらゆっくりと舞台裾へ歩くシーンは、DVDで観たときも感動したけど、荘厳な美しさに満ちていて、そのあとコリンズが歌う I’ll Cover You (reprise)が、ほんとうにすばらしく心に響いた。この歌の時は、会場中からすすり泣きが。私も涙が止まらず。

 フィナーレもすごくよかったなあ。スタンディングオベーションと拍手と歓声の嵐でした。

それにしても、オリジナル初演から22年、キャストは変遷しているのだろうけけれど、それぞれ雰囲気も声の個性もオリジナルの時の印象をまったく損なわず、歌もパフォーマンスも素晴らしいの一言。ブロードウェイのことは全く知らないけれど、ものすごく層が厚いのだろうと想像。

 

このミュージカルに描かれている愛や挫折、貧困やドラッグやエイズなどの社会問題、マイノリティのことなどの内容は厳しい、ジョナサン自身も暖房のない部屋にルームメイトと住みながら作曲を続け、友人をエイズで亡くしてもいるそう。それでも過去でもなく未来でもない今日に生きる(No day but today)という強烈な熱量と愛と、素晴らしすぎる音楽が人々を魅了し続けるのだろうなあ。

 

映画を観たことがきっかけで興味を持ち、ブロードウェイ版のDVDそのすばらしさに虜になり、今回、思いかなって『RENT』にじかに触れることができて、最高に幸せな時間でした。オフ・ブロードウエイ初演の直前に亡くなるなんて、ジョナサンは命と引き換えにこの世にこの愛すべき作品を遺してくれたのかもしれない、そう思うとまた涙がこぼれそうに。

 

ほんと「Thank you! Jonathan Larson!」

 

 

 

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