『For the Stars』 Anne Sofie von Otter meets Elvis Costerllo

  • 2018.08.03 Friday
  • 22:30

きっかけは古本屋で見つけた『雑文集』。そこから始まって、ここ数か月、合間にほかの作者の本をはさみつつも個人的に村上春樹祭開催中。その流れで購入した『村上ソングズ』を、パラパラめくっていましたら、大好きなアルバム『Anne Sofie von Otter meets Elvis Costello』から「This House is Empty Now」が取り上げられていて嬉しかったのでした。

バート・バカラック作曲、詞はエルヴィス・コステロが書いてるのですね。

 

“ソング・ライティング・チームの不動の相方であった作詞家ハル・デイヴィッドを失って以来、バカラックは長期にわたるスランプに陥っていたが、1998年のこのエルヴィス・コステロとのコラボレーションによって、奇跡的とも言える見事な復活を果たした”

という経緯を知ってからあらためて歌詞の日本語訳を読みつつ聴いてみると、しみじみとしてしまう。

 

ちなみにこのアルバムの中で私が一番好きなのは9曲目、フォン・オッターとコステロがDuoで歌っている「Green Song」。フォン・オッターの心が声に乗って遠く高く透明に響いていくような瞬間があって、毎回聴くたび感動するのです。

 

“ブライアン・ウィルソンやレノン=マッカトニーの隠された名曲などを取り上げており、その選曲の趣味の良さと、ナチュラルな歌心に深く感心させられる。クラシック歌手が余技としてポピュラー音楽を歌う場合に見かけられる「いかにも」という臭さがここにはまったくない。彼女は持ち前の声量を抑え、テクニックを解除し、あくまで自然体でただ淡々と歌の魂を表現する。聴けば聴くほど心に残る。まるで上質なするめのようなアルバムである”

 

うん、確かにするめです。何度聴いても聴き飽きない。カバーアルバムって、名盤が多いような気がするのは、きっとそこに愛があるからでしょうね。

 

img007 (2).jpg

JUGEMテーマ:音楽

評価:
Elvis Costello,Elvis Costello,Burt Bacharach,Ruben Blades,Cait O'Riordan,Fleshquartet,Anne Sofie von Otter,Svante Henryson,Benny Andersson
Dgg
¥ 1,335
(2001-04-09)

大束省三先生が

  • 2018.07.30 Monday
  • 22:47

大束省三先生が亡くなられたとのこと。

なんだかさみしい気持ちでいっぱいです。おいくつでいらっしゃったのだろうとお生まれの年を見てみたら、1926年のお生まれ。92歳になられていたのですね。

一度だけご温顔を拝する機会があり、このご本にサインをいただきました。

img006 (2).jpg

懐かしいです。とても丁寧に書いてくださっています。

2002年3月とありますから、あれから16年もたってしまったのですねえ。

お目にかかったのは、大束先生がノルディックサウンド広島を訪問された時でした。

あとがきにも記されているように、ノルディックサウンド広島の津田忠亮氏がこの本の巻末にある北欧主要音楽家人名一覧を制作され、そのこともあってのご訪問だったでしょうか。私みたいな北欧音楽初心者にとってもとても心に響いてくる深い深いあじわいのある本ですが、きっと北欧音楽をこよなく愛する大ベテランの方々にとっても尽きることのない深みがあるのではと思います。

ことに、箸やすめ、と称して合間あいまに書かれている短い文章の数々が、きらきら光っています。

そのノルディックサウンド広島も今年で20年。

img009 (2).jpg

このごろ、なかなか、音楽をゆっくり聴けてないなあと反省。このご本もあわせてゆっくり読み返しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。

 

 

 

 

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹 

  • 2018.07.24 Tuesday
  • 21:10

JUGEMテーマ:読書

音楽に関する村上春樹の本はこれまで何冊かとても楽しく読んだのだけど、今回の本は走ることがテーマ。

 

小説を書くために、小説家になると決めた時点で走り始めたというところがすごい。ランナーとしての歴史は小説家としての歴史と重なる。続ける才能!!ほんとにすごい。黙々と続けることができる人なのだなあ。走ること書くこと、音楽を聴くこと。コツコツコツコツ。

 

走るどころか週に何度かのウォーキングが精一杯の私だが、いつか走れるようになりたいなあとあこがれている。風がひゅっと通りすぎるみたいに走っていく人を見ると、ほんとにかっこいいんだもの。

 

鳥取の袋川沿いの桜並木の下は長い長い遊歩道になっていて、自然を満喫しながら歩ける恰好の道、朝は犬の散歩やウォーキングの人とぽつぽつ出会う。桜の木が木のトンネルみたいになっていてすごく落ち着く遊歩道なのだ。川土手には、近隣の人が育てる花がところどころに植わっていて、季節の花も楽しめる。都会にこんな道があったら、ランニング銀座になるのだろうなあ。

 

春樹さんがランニングする時の音楽もいろいろ挙げられている。ロックが多いみたい。

私も実は、音楽を聴きたくて歩いているかもしれない。あまり一人でじっくり音楽を聴く時間がないものだから、すごく貴重な時間なのだ。日々、季節や天候によって変化する風景だが、不思議と、音楽で同じ風景がここまで変わるかというくらい、印象が変わることもある。映画音楽的効果というのかしら、風景が語り始める感じ。それがすごく楽しい。

 

今はひたすら、スウェーデンのジャズピアニスト、ヤコブ・カールソンのアルバムばかり聴いて歩いてる。

トリオアルバムもかっこいい曲が多いが、女性ヴォーカリストとヤコブ・カールソンのアルバム3枚がメイン。

どれもほんとうに素敵で、彼のピアノの作る様々な音世界があたりに広がっていくときの美しさといったら。

 

Lina Nybergとの『TEMPER』

img003 (2).jpgこのアルバムの「What a beutiful morning」は、ほんとに朝の美しさがしみてくる

佳曲です。
 

Victoria Tolstoyとの『A Moment of Now』 

img004 (2).jpgこれはまためっちゃかっこいいアルバムで「Deep River」とか「Red Rain」なんか

聴いてると、猛烈に走りだしたくなる。ヤコブ・カールソンピアノの躍動感

様々な曲のカバーが入ってて、スティービー・ワンダーの「Send one your Love」で

デュエットしてる人の声が、スティービー・ワンダーにあまりにも似ていて、驚愕。

 

 

 

 

 

Hnne Boelとの『The Shining of Things』

img002 (2).jpgHanne姐さんの迫力のある声が、とても生きてるこれもカバーアルバム。

このアルバムの『Angel of the Morning』聴くたびに、切なさが青空に溶けていくようだし、アップテンポの『River』なんかは、すんごく楽しいナンバーで、これまた思わず走りだしたくなって、あとで膝ががくがくするのでした。

 

 

 

『きものがたり』宮尾登美子

  • 2018.07.17 Tuesday
  • 21:02

JUGEMテーマ:読書

img001 (2).jpg昨年春、古本屋の店じまいセールがあり、最終日は詰め放題1000円。移動するのもやっとの店内でとりあえずめぼしいものを片端から詰め込んでいった。「ご自分でレジに持ち上げることができることが1000円の条件です〜〜」と店内放送がかかる。人間、いざとなると力が出るもので、あとで思うとよく持ち上がったものだと感心するほど詰め込んだ。前振りが長くなったが、その時に袋に入っていた中の一冊がこの本だった。

 

宮尾さんご自身の着物についてのあれこれを語りつつ、一か月ごとにテーマを設け、写真とともに着物が紹介されている。とってもすてきだ。季節ごとの着こなしにも役立つ。

 

高知の花街を間近に見て育ち、戦中戦後の大変な時期を経ての今日。その中で女性としての着物、という存在の大切さ、切ない思いなどを綴った文章は、流石ピシッと背筋が伸びるようなつよさに貫かれている。

今は洋服に対して和服のことを着物というが、当時はまさに日々の「着物」であっただけに、女の喜びや悲しみがしみこんだものであることが痛切に伝わってくる。そして、今の簡易で便利で多彩な洋服が街にあふれている状態が、果たして幸せなのかなとちょっと思ったりもする。もちろんその恩恵を蒙ってもいるのだけれど。

 

小さな頃、気に入った生地で、好きなデザインで、体にぴったりのものを母が作ってくれていた記憶がよみがえる。母の作ってくれた洋服の数はすごく少なかったが、それだけに一つひとつの洋服に鮮やかな記憶と愛着があり、それを着たときの出来事まで今でも思い出すことができる。それと似た気持ちが、着物には込められているような気がする。

 

和服はことにお値段も張るものだから、思い入れや思い出の深さも半端ではなく、まさに「きものがたり」、一枚一枚に物語が生まれるのだろう。

 

数年前に着付けを勉強していたとき、踊りの名取をしている友達にコツを聞いたら、ひたすら慣れることだと言われた。彼女は「襟元が体にきれいに添ってない、まだ着物がなじんでない」と言われ一念発起して、眠るときもガーゼの和装の寝間着で寝るようにしたそうだ。

それを聞いてから、私もマネしてみたいと思っていたが、ガーゼの寝間着ってけっこう高いんですよ。ところがピルクルよろしく念じれば通じる。年配の方が処分するからと二枚も新品をくださった。それから着物に慣れたい一心で、湯上りとして活用させてもらっている。ほんとはそのまま眠ればいいのだろうけど、猛烈に寝相が悪いためチャレンジできずにいる。面倒だけれども、そんな努力が必要というハードルの高さがまたいいのかもしれない。

 

ストレッチの効いた素材とウエスト総ゴムに慣れた自分を反省しつつ本を開けば、背筋が再び、ぴっと伸びるのであった。

 

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